進撃の巨人外伝3
翌日の朝、が目を覚ましたとき、心地良さに包まれていた。
なぜこんなに温かいのだろうと瞼を開くと、白い服で視界が覆われている。
温もりに身を寄せると、固い筋肉が当たった。
それだけで相手が誰なのか分かり、目を見開いた。
「へ、兵長さん・・・あの、この状況って・・・」
気付けば肩に腕がまわされていて、自分の手はリヴァイの背に添えられている。
一夜を共に過ごした記憶がなく、は動揺していた。
「覚えてねえのか」
は、呆けてリヴァイを見上げた。
ハンジの薬を飲んで、気分が悪くなったところまでしか思い出せない。
子供の時に記憶がなかったように、元に戻った時に子供の時の記憶が抜け落ちていた。
リヴァイは小さく溜息をつき、から離れて上着を着た。
「着替えは部屋にあるな、戻って支度してこい」
「う、うん・・・」
昨日の事を聞きたかったが、邪魔になっては悪いとは自室へ戻った。
着替えた後、エレンなら何か知っているだろうと、地下室へ赴く。
「あ!、元に戻ったんだ」
「分隊長さん、おはよ・・・」
挨拶の途中で、はハンジが持っている真緑の液体を見て言葉を止めた。
それを凝視していると、ハンジは嬉しそうな顔をした。
「これ、気になる?実は、君が記憶障害を起こしてたみたいだから。
それを戻すために作ったんだけど・・・無駄になっちゃったな」
記憶を戻すと言われ、は興味をそそられる。
「分隊長さん、ボク昨日の記憶がないんだ。それを飲めば思い出せるかも」
「そいつはいい!捨てるのも勿体なかったし、ぜひ飲んでみてくれ!」
テンションの上がったハンジは、薬をの手に押し付ける。
相変わらずのおどろおどろしい色に躊躇ったが、一気に飲み干した。
野菜の苦い部分だけを凝縮させたような、青臭い臭いが広がる。
苦味を感じた次に瞬間、頭痛がしてこめかみを押さえた。
同時に、脳裏に見覚えのない場面が浮かぶ。
子供になったこと、エレンを閉じ込めたこと、馬を殺した犯人を殺そうとしたこと。
そのとき感じていたことまで思い出し、多くの情報量に脳が圧迫されていた。
「、大丈夫?」
心配そうな声に、はゆっくりと目を開けた。
「昨日のこと・・・全部思い出した。やっぱり分隊長さんの薬は凄いや」
「ああ、私の研究成果を評価してくれて嬉しいよ!。
これからも何か画期的な者ができたらに見てもらうことにしよう」
意気揚々とするハンジに、は期待する部分もあったが、不安な部分もあった。
ハンジと別れ、エレンの居る地下室へ向かう。
エレンはちょうど外へ出るところだったのか、扉を開けたところではち合わせた。
「!元に戻ったのか」
「うん。ついでに記憶もね」
とたんに、エレンは表情を固くする。
「エレン、地下室に閉じ込めてごめんね。手のつけられないガキだったでしょ」
「あ・・・いいよ、そんなこと。。
それより、オレ、変態みたいなことして・・・嫌な思いさせて、悪かった」
「変態?」
は、エレンを閉じ込めた後のことを思い出す。
悪い事をしたから、叱られると覚悟していたとき。
エレンは咎めることをせず、子供の姿の自分を抱き抱え、耳に触れていた。
「あ、ああ、そのこと・・・」
思い起こすと恥ずかしくなって、頬が熱くなる。
「背丈が変わってもこれはなんだって思うと、抑えが効かなくなってた・・・ごめん」
エレンはひたすら申し訳なさそうにしていたが、は嫌な気分にはなっていなかった。
相手がどんな形になっても受け入れてくれると、そんな安心感を与えてくれたから。
「謝らなくていいよ。気持ち悪くなんてなかったし、それに・・・エレンがしたことだから」
自分で言っておきながら後半の言葉に照れて、尻すぼみになる。
エレンはふいをつかれたのか、目を丸くしていた。
「・・・あ、あのさ、今日、一緒に寝ないか」
の言葉に揺さぶられ、思わず提案する。
寝るだけでは済まないかもしれない、という言葉は飲み込んでおいた。
「いいよ。兵長さんにも謝らないといけないから、その後ここに来るよ」
「・・・わかった」
リヴァイの所へ行くと聞き、エレンの気分が萎えて行く。
が今夜ここへ来る保障はなくなってしまった。
夜、もう一息ついている頃だろうかと、はリヴァイの部屋へ来ていた。
「兵長さん、少し話したいことがあるんだけど・・・」
「何だ、まだ書類が残ってるから手短にしろ」
タイミングが悪かったのか、机の上には紙の山が積まれている。
リヴァイの口調にも少し疲労が感じられたので、は早速本第に入った。
「ボク、昨日のこと思い出したんだ。それで・・・迷惑かけて、ごめんなさい」
素直に頭に下げるを見て、変わったものだとリヴァイは思う。
以前は他人に無関心だったが、相手の気持ちを配慮している。
この分なら、いずれ集団に馴染むこともできるだろう。
「あと・・・兵長さんが傍に居てくれてよかった。。
悲しくて仕方なかったけど、兵長さんが一緒にいてくれてすごく安心した。。
・・・ボク、兵長さんのこと、自分で思ってる以上に好きみたい」
照れているのか、自嘲しているのか、ははにかんだ様子で告げる。
らしくない言葉だったけれど、今しか伝えられないと思った。
ストレートな好意の言葉に、リヴァイは揺らぎ、手を出しそうになる。
「じゃあ、もう行くね。エレンが一緒に寝ようって言ってるから」
は出て行こうとしたが、リヴァイは腕を掴んでその場に留めていた。
書類のストレスが溜まっているせいか、エレンの所へ行くのが無性に気に入らない。
驚くをよそに、そのままベッドへ引っ張っていた。
「あ、あの、兵長さん、ボク、行かないと。それに、書類残ってるんでしょ」
「あんなもん明日でもいい。それよりよ、お前はエレンを愛してんのか」
「えっ!?」
突拍子のない質問に、口が半開きになる。
愛しているなんて、考えた事はなかった。
ただ、お互い触れ合うことが嫌ではないということしかわらからない。
は何も答えられず、ただ呆けていた。
「寝るだけで済むと思ってんのか?だが、相思相愛なら文句は言わねえ」
「愛って・・・友達ができたのも初めてなのに、わかんないよ・・・」
お互いが触れ合ったら、体を許したら、愛していることになるのだろうか。
友情と愛情の区別がつかず、は混乱していた。
「、横になれ」
瞬間的に、の心臓が高鳴る。
従ったら最後、ベッドから下りることはできなくなる予感がしていた。
「だ、駄目だよ、エレンと約束し・・・」
途中で、言葉が止まる。
リヴァイは続きを言わせないよう、の口を塞いでいた。
抵抗する間も与えず、開いた隙間から舌を押し入れる。
「んっ・・・!っ、は・・・」
逃れようとするの舌を、無理矢理絡め取る。
柔い感触と、淫猥な液の音がして、は耐えるように強く目を閉じていた。
一時も動きは止まらず、口内が蹂躙されてゆく。
歯列をなぞり、舌の裏側へ触れ、少しでも多くの快感を与えようとする。
の吐息が熱くなり、感じているとわかるとリヴァイは身を離した。
「へ、兵長、さん・・・」
は頬を染め、荒く息を吐く。
軽く肩を押されると、力の抜けた体はあっけなくベッドへ倒れた。
リヴァイに見下げられ、危機感を覚える。
「今からはっきりさせてやる。お前がエレンに何を感じているのかをな」
いつもとどこか雰囲気が違い、はわずかに怯む。
リヴァイは身を下ろし、髪を掻き分けての耳にも舌で触れた。
「あっ・・・!」
先の行為で体が敏感になっているのか、柔い感触に声を漏らす。
それは優しい愛撫ではなく、相手を昂らせるような、荒い動きをする。
耳の全体を弄り、少しでも反応しようものなら内側まで侵してゆく。
「や、や・・・兵長、さんっ・・・」
荒々しい動作のせいで液の音が増し、感触との相乗効果に声が抑えられない。
耳朶に噛みつかれると、肩が震え、熱が上ってしまう。
耳に濡れていない部分がなくなったところで、やっと柔いものが離れた。
「どうだ、エレンのときと何か違うか」
「違う、って・・・」
どちらにしろ体が熱くなって、羞恥心が募る。
ただ、今されたことの方が激しくて、熱っぽくなる速度が早かった 。
が応えられないでいると、リヴァイは服を脱がし始める。
抵抗して、今からでもエレンの所へ行くべきかと思う。
けれど、熱を覚え始めた体はこの先のことを望んでしまっていて。
逡巡している内に、次々と服が取り払われていった。
下肢の衣服も下げられ、リヴァイの手が足をなぞりながら太腿の中心に向かってゆく。
その間は、まるで抵抗する隙を与えられているようだったが、は動けなかった。
そして、昂りかけているものが掌に包まれた。
「っ、ぁあ・・・」
最も敏感な個所が刺激され、強い感覚が全身へ伝わる。
反射的に体が強張ったが、一方でその感覚を求めてもいた。
リヴァイが掌を動かすと、は体を震わせて反応する。
シーツを握って必死に声を抑える姿は、相手を高揚させるのに十分だった。
「約束を破らせて、無理矢理犯される気分はどうだ」
リヴァイは、冷たく言い放つ。
もし、エレンの所へ行きたいと言えば、それは相手に強い好意を抱いている証拠になる。
たとえが自分ではなく他の者を選んだとしても、それを止める権利はなかった。
は一旦息を整え、答えた。
「どうして、こんなことするのかわからないけど・・・ボク、兵長さんを嫌いになれないよ・・・」
できれば、約束を破りたくはなかった。
けれど、今は行為を受け入れてしまっている。
二人に体を許すなんて、本当は良くないことなのかもしれない。
そう思っても、本能は正直に相手を求めている。
嫌々従っているわけではなく、は自分の意思で抵抗しないでいた。
培われた信頼感はささいなことでは崩れず、視線が交わる。
「ガキが、煽りやがって・・・今日はもう地下室へ行けないと思え」
リヴァイが、触れていた箇所のさらに下方へ手を伸ばす。
何をされるのか察知したは、体を固くした。
「力を抜け、ここに留まることを選んだのはお前だろう」
「う・・・」
あやすように頭を撫でられ、緊張が解ける。
どうすれば気が緩むのかをリヴァイは知り尽くしていて、窪みが弛緩したとき、指を挿し入れた。
「あぁ・・・っ!」
全身に感じる悦と共に、狭い窪みが収縮する。
内壁を擦りながら奥へ埋められると、刺激が増して行く。
指は、第二関節の辺りで進むのを止め、独特の感触を持つ内壁の、少し固い箇所を指先が撫でた。
「あ、あ・・・!そこ、やだ・・・っ」
軽く触れられただけなのに、は今まで以上の感覚に襲われる。
「嫌だ?良いの間違いだろ」
リヴァイは指を曲げ、が反応する箇所へ触れ続ける。
内壁に締め付けられるが、その反発をものともせず執拗に擦った。
「ひ、やぁっ、ああ・・・!」
昂っているものが熱くなり、みるみるうちに限界へ近付いてゆく。
もはや口を閉じることができなくて、喘ぎ声しか出てこなくなる。
上ずった声にリヴァイの気は高揚し、一時も手を止めることがない。
早く達させようとしているのか、さらにの昂りも掌で包み込み、愛撫した。
「や、ぁ、あ・・・!」
ひときわ高い声を発し、が全身を震わせる。
同時に、リヴァイの手に包まれていたものから、白濁した液体が溢れ出す。
指が抜かれた箇所は、まだ何かを求めるように疼いていた。
「は・・・」
欲情が解放され、は肩で大きく息を吐く。
気が落ち着いてくると、ぼんやりとリヴァイを見た。
「兵長さん、手、汚れ・・・」
「気にするな、この後すぐに使うことになる」
言葉の意味が分からず、はまだ熱っぽい視線を向け続ける。
「誰が一回だけで終わらせるって言った?無意識の内とは言え、煽ったのはお前だ。覚悟しろ」
「あ・・・」
いつも冷静な視線の中に欲望が感じられて、は動揺する。
未だかつて、リヴァイを自分から求めることはあっても、求められることはなかった。
望まれているのなら、応えたい。
半ば強制的に始まった行為でも、構わなかった。
すぐに行為には移れないので、少しの間休憩する。
その間、リヴァイは片手を拭い、の頬や胸部を撫でていた。
最初は、愛撫がくすぐったいとしか思わなかった。
けれど、腕や太腿の辺りも撫でられている内に、また心音が強くなってくる。
変化を感じ取ったのか、リヴァイが胸の突起へと触れた。
「っ、ん・・・」
触れられたとき、か細い声が発される。
再びの体が反応を示すようになると、リヴァイは掌の白濁を窪みに擦りつけた。
粘液質な感触に、は息を飲んだ。
液を帯びた指が、中へ入ってゆく。
「ふ・・・ぁ、ぁ・・・」
先に慣らされた箇所は、難なく相手を受け入れる。
リヴァイは内部をゆっくりと掻きまわし、挿入する本数を増やした。
「あ、う・・・」
潤滑剤もあり、本数が増やされても痛みはない。
代わりに感じるのは、自分を昂らせる感覚だけ。
この後の痛みを和らげるため、中が丹念に解されてゆく。
自分の中で指が動かされると、は熱っぽい吐息をついた。
今度は達させないようにしているのか、わずかしか入れられていない。
焦らされているようで、体が疼く。
指があまり抵抗なく動かされるようになると、ゆっくりと引き抜かれた。
リヴァイが服を脱ぎ、事を進めようとする。
は、鍛え抜かれた体を目の当たりにして、つい目が行く。
今からこの相手に抱かれるのだと再確認して、心音が強く鳴っていた。
リヴァイが身を下ろし、指が触れていた箇所に自らのものをあてがう。
が痛みを覚悟したとき、液と共にそれが押し入れられた。
「う、ああ・・・っ!」
身が裂けるような痛みに、は苦痛の表情を浮かべる。
潤滑剤があるのに痛みが強い気がして、爪痕がつくほど手を握りしめた。
先端が入っただけでも内壁に締め付けられ、リヴァイも息を吐く。
「・・・」
ふと、優しい声が耳に届いて、はリヴァイに焦点を合わせる。
視線が交わると、リヴァイはに近づき、唇を重ねた。
「ふ・・・」
そっと重なり合う感触が心地よくて、は目を閉じる。
リヴァイは開いたままの隙間に舌を差し入れ、やんわりと絡ませた。
最初の口づけのときのような激しさはなく、動きは緩やかだった。
昂ぶらせるのではなく、気を落ち着かせるような、そんな触れ合いには安らぎを感じていた。
体から、力が抜けてゆく。
下肢の収縮が弱まると、リヴァイはさらに自らをの中へ進めた。
「あ、ぁ・・・!いっ・・・」
自分の中の圧迫感が増し、再び痛みを覚える。
けれど、少しは痛みに慣れたのか、共に感じた悦楽でだいぶ緩和されていて。
の体は、少しずつリヴァイを受け入れていた。
それでも、リヴァイが腰を落とすと、反射的に力が入ってしまう。
自分の中にあるものの熱さを鮮明に感じ取ってしまい、動悸がしてくる。
そのとき、自分は、この人に求めてほしかったのだと自覚した。
「兵長、さん・・・っ、ボク、必要とされてるの・・・?」
息を吐く合間に問いかけると、リヴァイが耳元で言う。
「何のために躾けたと思ってる。・・・当たり前のことを今更言わせるな」
その言葉で、の心が満たされてゆく。
肉体的だけではなく、精神的にも。
たとえ、戦力的に必要だという意味でも構わなかった。
は、リヴァイの背に手をまわす。
そこに、もう恐れや躊躇いはなかった。
リヴァイは動きを止め、昂っているのものを掌で包む。
自分を奥に留めたまま、その全てを感じさせるように。
「あ、ぁ、兵長さんっ・・・!」
前の方も刺激され、背に回す手に力が入る。
少しでも指先でなぞられると全身が反応して、そのたびにリヴァイを感じる。
自分の中で脈打つものが熱くて仕方がなくて、体の内側から温められてゆく。
その熱を感じると、エレンのことが脳裏をよぎってしまった。
「・・・今は、俺だけを感じてろ」
罪の意識が顔に出ていたのか、囁きかけられる。
余計なことを考えなくさせるよう、リヴァイはを包み込み、何度も手を往復させた。
「っ、あ、ん・・・!ぁ、あぁ・・・っ!」
強くなった刺激に耐えられなくなり、の声がひときわ高くなった。
白濁が散布され、掌に受け止められる。
内壁は激しく収縮し、相手を圧迫した。
「っ、は・・・」
リヴァイは小さく呻き、一瞬身を震わせる。
自身のものは奥に留まったまま、の中へ熱を注ぎ込んだ。
「ぁ・・・」
粘液質なその液が流れ込んでくる感触に、か細い声を漏らす。
まるで、存在を刻みつけられたような、そんな感じがした。
収縮が落ち着くと、リヴァイはゆっくりと身を引き抜いた。
「・・・洗って来る」
液がまとわりついた手のままでは触れられないと、リヴァイは一旦ベッドから降りる。
相手が離れても、熱はまだ体に残ったままだった。
リヴァイが戻って来て隣に横になると、はすぐに話しかけた。
「・・・兵長さん、ボク、エレンか兵長さんか、選んだほうがいいのかな」
さっき、行為の最中にエレンのことを考えてしまった。
それは申し訳ないことのように思えて、接する相手はどちらかにしたほうがいいのかと悩んでいた。
「お前がエレンと何してようが、俺に止める権利はねえ。ただ、普通、男は女に惹かれるもんだ。。
お前が異性に興味を持ったとき、俺やエレンに縛り付けられるな。それを守れるんなら好きにしろ」
自分が二人意外に惹かれることなんて想像できなかったが、は頷いた。
「兵長さん、ありがとう。・・・ボク、好きだよ、兵長さんのこと・・・」
言葉と共に、リヴァイに近付く。
そして、緊張しながら、そっと口付けた。
体を温めるためではなく、愛情表現をするためだけの行為は、にとってとても勇気のいる事だった。
けれど、眠る前に、言葉にならないほど強い想いを伝えておきたかった。
思いがけない行動に驚いたのか、リヴァイが制止する。
「・・・また煽る気か?足腰立たなくなる前に、さっさと寝ろ」
「あ、うん、お休み、なさい」
急に自分のしたことが恥ずかしくなって、はそっぽを向く。
すると、腕が回され、すぐに背中に温もりを感じた。
固くて筋肉質な腕に抱かれていると、やけに安心して。
目を閉じたとき、は言われようのない幸福感に包まれていた。
それから、は異常に血を浴びることも、執拗に巨人をいたぶることもなくなった。
すぐに冷めてしまう表面上のものではなく、自分の中は温かいもので満たされている。
人と気軽に接することはできないけれど、いつか、順応していけると薄々思う。
普通とは違う気質を受け入れてくれる人が、ここにはいる。
誰かから毛嫌いされたとしても、その人がいてくれれば、存在し続けられる。
傍に居たい、傍に居てほしいと、心からそう思える二人の相手ができた喜びを、は噛み締めていた。
そして、それを絶対に失わせはしないと、固く心に決めた。
―後書き―
読んでいただきありがとうございました!
まさか、番外編まで書けるとは思っていませんでした。
最初はハンジの薬あるあるネタをやってみたくて、ショタ系を書いて、元に戻ったところで終わる予定だったんですけれど。
やっぱり兵長ともアーッ!させたくて欲望のままに書いていたという仕方のない脳です←。
小説を掲載し終わるまでの期間は長かったですが、進撃の巨人にはまっていたのは約1カ月半。私にしてみればとてもとても長いものです。。
pixivでイラストが毎日のように更新されているのもあったのですが、それだけ作品が魅力的だということが大きかったです。。
私が書く主人公は、どこか暗い過去を背負ってるのが多いんで、残酷な漫画の場面に合いやすく書き易かったので、どんどんモチベーションが上がって行きました。 。
ここぞとばかりに後書きも長くなりましたが・・・長々とお付き合いくださり、ありがとうございました!。